前回の記事では、手相に興味を持った方が最初に読むのにおすすめの一冊として
卯野たまごさんの
『手相占いであなたの幸せ引き寄せます!』(2013年出版)
をご紹介しました。
実は、この時期の話をまた違った視点から描いている本が、5年後の2018年に出版されているんです。
それが、こちらの本↓
卯野たまごさんの
『引きこもりがスカウトされて占い師になったら人生が一変した話』
前作を読んだときに生まれた謎。
・卯野さんは、どうして突然、実家を出て一人暮らしを始めたんだろう?
・占い師の「おじい」って、いったい何者なんだろう?
今回の本を読むと、全て明らかになります。
(この記事は、実際に読んだ上での個人的な感想・レビューです。)
引きこもり→路上占い師へ
前作では、主にお客さんの人生や心の動きに焦点が当てられていました。
でも今回は、卯野さん自身のストーリーが中心。
卯野さんの気持ちや家庭環境、周囲の人間関係など。
良いことも悪いことも、包み隠さずリアルに描かれています。
なので前作よりもずっと、卯野さんの内面に触れることができる本となっています。
タイトルからすでに明らかになっていますが、卯野さんはおじいに声をかけられる少し前までは不登校で家に引きこもっていたそうです。
そこからいきなりの、初対面の人を占う路上占い師。
振れ幅大きすぎてびっくりします。
でもきっと、もともと共感力がものすごく高い方だったんだろうなあって読んでいてすごく感じました。
なぜかというと、卯野さんは初対面のお客さんの悩みをまるで自分のことのように受け止めて、一緒に悩んだり、泣いたり、笑ったり・・・。
その姿がとても自然なんです。
とにかく一生懸命で、まるでずっと昔からそうであったかのような。
「人との距離のとり方がまったくわからない」
そう言って人との関わりを避けていた卯野さんが、手相を始めた途端にスイッチが入り、お客さんの心に届く言葉をどんどん紡ぎだしていく。(ときには3時間もぶっ通しで!!)
人と話したり向き合うのは自分と向き合うってことでもあるんじゃ。
他人がいてはじめて自分という輪郭が浮き上がる。
人がいるから自分を知れたりするんじゃよ。
おじいの言葉のとおり、卯野さんはお客さんと向き合うことによって本来の自分の輪郭を浮き上がらせていったんだなあと思います。
きっと本来の卯野さんの根底には、人に優しくありたい、勇気づけたいという強い想いがもともとあったのではないでしょうか。
その想いが、「手相」という魔法の道具を手にしたことで一気に開花したように見えました。
衝撃的な、卯野さんの「転換期」
どうして、卯野さんは突然実家を出て一人暮らしを始めたのか。
前作ではそのあたりの背景については描かれていなかったのですが、今回、それが明らかに。
ほっこりした描写が続いていたストーリーのなかに突然出てきたその場面に、衝撃が走りました。
バリッという、ベランダの非難戸を突き破る音。
その音と同時に、暗闇をひた走る卯野さん。
心の痛みがこちらにまで伝わってきます。
イラストで描かれることによって重苦しさが緩和されていますが、これが実際に卯野さんの身に起こったことなのだと思うと・・・。
いつもの、ほのぼのとした雰囲気の卯野さんの姿とのギャップが激しすぎて、驚きました。
落ちてる時ほど心の直感に従うことが大切なんじゃよ。
心のままにいることじゃ。
自分の心が感じたことを信じて心のままに生きることでもっと自分らしくいられる方に流れていくんじゃよ。
転換期って、ジェットコースターみたいに上がり下がりが激しいんだとか。
落ちていて谷にいるときこそ、あきらめずに、この後は春になって上がっていく!と信じることが大切なのだそうです。
しんどいときって、「今」が永遠に続くような気がしてしまって、なかなかこんな風に思えない。
つい頭で考えてああしよう、こうしようってしがちだからこそ、「心の直感」に従う。
おじいのアドバイスを受けて、サインをキャッチし心のままに行動した卯野さんの運命はそこから大きく変わり始めるのでした。
必見、おじいの過去
卯野さんのスピリチュアル能力もすごいけれど、それに負けず劣らずものすごい能力を持つ、おじい。
なんと、直接会ったことのない人ことまでも観ることができるらしい。
すごすぎる・・・。
今回は、そんなおじいがサラリーマンから占い師になるまでの経緯など、おじいの人柄もかなり掘り下げてかかれているんです。
いつもおちゃらけてばかりいるおじいにも、悩める若かりし頃があったんだなあって、しみじみとしました。
おじい、前作から変わらず本当に、良いことを言うんですよね。
お前さんは難しく考えすぎなんじゃよ。わしらはただ生きて死ぬだけよ。
食べて寝て笑って怒って泣いて愛して
そうして人生はあっという間に過ぎてゆく。
生きるっちゅうんはそれだけのことよ。
どんな生き方でもいいんよ。
じゃから好きなように笑って怒って泣いて
自分のことをとことん愛して生きんさい。
おじいのこの言葉を聞いて、大粒の涙を流す卯野さん。
この場面は、わたしも胸がジーンと熱くなってつい泣きそうになりました。
手相についてどの程度学べる?
前作では、登場人物のお客さんの手相を卯野さんを通して見ることによって、「こういう手相の人はこんな性格なんだな~」とイメージできる感じでした。
今回は、そういった描写があまりありません。
卯野さんやおじいの過去だったり、色んな人との出会いを通して成長していく話がメインとなっていて、お客さんの手相を鑑定する場面はあまり出てこないんです。
お客さんを鑑定する話がわたしはとても好きだったので、そこがちょっとだけ残念でした。
今作では、見えない世界というか、スピリチュアルに関する話がもりだくさんです。
手相のことに限らず運気を上げるための具体的な方法がいーっぱい!紹介されていますよ。
手軽に試せる方法が多いので、スピリチュアルに興味がない方でも楽しく読めると思います。
ただ、純粋に手相についてのみ知りたい!という方が読むともしかしたらちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
感想:卯野さんの世界観が好きな人におすすめ
卯野たまごさんの『引きこもりがスカウトされて占い師になったら人生が一変した話』は、前作を読んで卯野さんやおじいの人柄のファンになった方に、とてもおすすめです。
卯野さんやおじいの手相に対する真剣な姿勢を目の当たりにすることで、きっとふたりのことがもっと好きになると思います。
逆にこの本が向いていないのは、前回の記事と同様になりますが手相について網羅的に学びたいと思っている方です。
勉強モードで気合を入れて読むのではなく、あくまでも卯野さんのストーリーや世界観を楽しむ気持ちで読んでいくのがよいのではないかと思います。
卯野さんとおじい、ふたりの手相への愛があふれんばかりの素敵な一冊です。
卯野さんワールドにとことん浸りたい方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。

